これは、私が日々の施術の中で大切にしている考え方について書いたものです。
当院が目指しているのは、
自分の身体を理解し、自分で扱えるようになるためのサポートです。
私は、身体を「整える」こと自体は、とても大切だと思っています。
ただ、「整える」という言葉は幅が広く、人によってイメージも違うなと感じています。
骨格を揃えること。
筋肉を緩めること。
疲れを取ること。
どれも大切ですし、必要な場面もあります。
ただ当院では、そこで終わらせず、
**「また自分の身体で取り組める状態に戻ること」**を大事にしています。
私が考える「整える」ということ
私が考える「整える」とは、
その人が本来持っている身体の感覚や使い方を思い出し、
また自分の身体で動きに向き合える状態に戻すことです。
疲れが溜まっていれば、回復しやすい状態をつくる。
コンディションが落ちていれば、整え直す。
もし痛みや違和感があれば、
また安心して動かせるところまで戻す。
そんなサポートができればと考えています。
「正しいスイング」より、「自分のスイング」
ゴルフの現場でも、
「胸で回す」
「胸椎を使う」
といった言葉をよく耳にします。
ただ、言葉として知っていても、
実際の身体の中でどう使えばいいのか分からない、
という方は少なくありません。
以前、50代の女性ゴルファーの方が、
クラブ選手権の直前に来院されました。
紹介で来られた方で、
「胸から腕が生えているように使う」
「胸椎で回る」
という考え方に惹かれて来てくださったそうです。
問診では、
過去の五十肩の影響で左肩に違和感が残っており、
特にテイクバック時に棘下筋あたりに痛みが出ていました。
まずは徒手療法と筋膜リリース、鍼で、
肩まわりの緊張や引っかかりを整理しました。
その上で、
腕を単独で振るのではなく、
**「胸から腕がつながっている感覚」**で扱うこと、
胸椎を意識した胸郭の動かし方を、
ご本人の感覚を確認しながら一緒に探していきました。
すると後日、
「肩の力が抜けてスイングできた」
「スイングが安定して、飛距離も伸びた気がする」
とお話しくださいました。
結果として、そのクラブ選手権でクラブチャンピオンになられたそうです。
伝えたいのは、結果よりもプロセス
この話でお伝えしたいのは、
「こうすれば勝てます」ということではありません。
ポイントは、
型を押し付けたわけでも、
フォームを修正したわけでもなく、
ご本人が自分の身体の使い方を腑に落としたという点です。
できているかどうかよりも、
自分の中で「これなら振れる」と感じられたこと。
その感覚が、
結果的に安定したスイングやパフォーマンスにつながったのだと思います。
身体を知ると、動きは少しずつ変わる
身体の構造を知ることは、
難しい理論を覚えることではありません。
「今、どこを使っているか」
「どこが頑張りすぎているか」
そんな小さな気づきが増えるだけで、
動きは自然と変わっていきます。
正そうとしなくても、
楽に動ける感覚が見えてくることもあります。
自分の身体と、長く付き合うために
人の身体は、それぞれ違います。
年齢も、生活も、運動歴も同じ人はいません。
だからこそ、
自分の感覚を知っておくことは、
長く身体と付き合っていく上で大きな助けになります。
当院は、
「整えて終わり」ではなく、
その先まで一緒に考えていける場所でありたいと思っています。
自分の身体のことを、もう少し知ってみたい。
そんな方のお手伝いができれば嬉しいです。